ハーモニー関係者に成婚者がどれくらいいるのかを聞いてみたら、ここ十数年の間に、1、2組しかいないことが判明しました。だから3カ月に1度の成婚実績は大嘘つきの誇大広告です。
【事案 1】国際結婚相手紹介サービスの解約に関する紛争
1.事案の概要
<申請人の主張>
国際結婚をあっせんする相手方(注)のホームページを見て、入会前無料アプローチを申込ん
だところ、交際希望女性(A)から交際希望の返答があった。相手方から入会を強く促されたこ
ともあり、相手方に入会金等約 50 万円を振り込み、入会した。その後、A が来日するための費
用として約 6 万円を振り込んだ。
その後、A とは交際を中止し、新たに招 聘
しょうへい
ミーティング料(約 8 万 5,000 円)を支払い、別
の女性(B)と交際を開始した。B から日本に来たいとの強い要望があり、日本への旅費などを
送金した(約 2,600 米ドル)が、ビザやパスポートが発行されておらず、詐欺であることが判
明した。
相手方に不信感を抱いたため、相手方に対し、電話とメールで契約の解除と返金を求めたが、
契約はすでに終了しているとして全く受け入れられなかった。契約を解約して、全額返金して
ほしい。
(注)ホームページ上の名称:「Harmony」
本件契約時の名称:有限会社トレックス
本社所在地:神奈川県相模原市中央区
<相手方の対応>
和解の仲介の手続に応じる。
・申請人の請求は認めない。
・契約書に基づき、交際確認申請書を申請人が提出し、契約は終了しており、既に支払われた
金銭に関して、双方に何ら債権債務が存在しない。
・入会時に男性会員全員に当社制作のマニュアルを熟読するよう伝えており、申請人から紹介
した女性 B が旅費とは違う金銭を要求しているとの報告を受け、交際を中止し、金銭を送ら
ないようメール及び電話で再三再四、注意勧告をしていた。その後も、当社の制止を振り切
って送金した模様である。
・申請人からは「すべて自己責任のもとで女性と交際し、送金して招聘するのだから、御社に
は関係ないし、迷惑を一切掛けない」と強く主張されている。
・契約が終了していることをご理解いただけない場合には、司法の判断に委ねるべきである。
2.手続の経過と結果
第 1 回期日では、両当事者に対し、本件契約の経緯や契約書等について聴取した。
申請人は、解約を申し出た際に初めて相手方から契約が終了していると言われたこと、紹介
された女性 B との交際についても注意勧告といえるものはなかったことなどを述べた。
他方、相手方は、特定商取引に関する法律(以下、「特定商取引法」という。)に則って概
要書面、契約書を交付の上契約しており、その後申請人が A と交際に至ったため、契約は終了
していること、よって何ら債権債務は存在しないことなどを述べた。
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仲介委員より相手方に対し、①契約が終了しているのであれば、その後も申請人に女性を紹
介しているのはどういうことか、②申請人に注意勧告したメールが保存されているのであれば
提出してほしい、③契約書は誤りが多く、特定商取引法の定める法定書面になっていないので
はないかと指摘したところ、相手方は、①契約終了後に紹介しているのは、交際に至っても別
れてしまうことがあり、そういった場合には無償で海外のエージェントを紹介している、②メ
ールは保存してあると思うが、探し出すのに手間がかかり、やり取りが長くなるので、これ以
上は司法の判断に委ねたい、③契約書は司法書士に確認してもらっており、問題ないと考えて
いるが、問題があるというのであれば、何条に抵触するのか明確に示してもらいたいと主張し
た。
そこで、第 2 回期日(仲介委員会議)を開催し、相手方に送付する書面の検討を行った。
検討の結果、相手方が作成した契約書は、クーリング・オフの起算日が契約締結日とされて
いること、クーリング・オフによる返還に要する費用が契約者の負担とされていること、クー
リング・オフの効力が書面発信時に生ずることの記載がないことなど、多くの点で特定商取引
法の定める法定記載事項と相違しており、書面不備につき、法定書面不交付であるといえ、申
請人は今に至ってもクーリング・オフの権利を行使することが可能であることを指摘し、クー
リング・オフができないとの見解であれば、法的な観点からその理由を明らかにするよう求め
ることとした。
後日、相手方からその理由も明らかにせずに「特定商取引法 42 条に基づく内容を概要書及び
契約書に記載していると考えております」との回答が文書で寄せられた。
これを踏まえ、第 3 回期日にて相手方に回答の趣旨を尋ねたところ、司法書士に相談したう
えでの回答であり、法的見解に相違があれば、和解は進まないと思うので、司法判断に委ねた
いと述べた。
仲介委員より、法的な解釈の違いというレベルではなく、明らかな間違いであることから、
書面不備であり、申請人はクーリング・オフが可能であること、違反すれば行政処分もあり得る
こと等を繰り返し説明したが、相手方は書面の不備を半ば認めつつも、なお司法の判断に委ね
たい旨を繰り返した。
そこで、再度、本件は、法的な解釈の違いが入り込む余地のないほど明白な不備であるにも
かかわらず、クーリング・オフを認めない法的な理由を書面で求めたところ、相手方から「事実
確認の認定に関しては、司法の場でご解決頂くのが賢明である」旨の回答が寄せられた。仲介
委員からの質問に正面から回答しないことに加え、期日よりも接客を優先して電話に応じない
など、相手方の対応は、実質的に非協力で真摯しんし
な解決努力がなされているとは認められないこ
とから、相手方に和解する意思がないことは明らかであると判断し、本手続を終了した。
出典